小高い丘の広い世界

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 その日のバイトが終わり帰宅することには12時を回っていた。  普段はもう家族も寝静まる時間帯だったので、リビングがまだ温かく両親が揃って席についていたことに、違和感を感じないこともなかった。  サラの姿は見られなかったので、仕方がないもうすでに自室に入ったのだろうと納得し、自分も風呂に入り大人しく寝ることにした。  しかし、次の日からサラはいなかった。  サラのホストファミリーが変わったと、それだけ告げられた。  どういうこと?そう聞いたら、サラの方から言いだしたのだという。  昨日のあの出来事が影響していると確信があっても、もしかして私がひどい振る舞いを知らず知らずにしていたのではないかと、両親がどこまで知っているのかと図りかねて、私は何も言えなかった。  あの時のサラが最後だなんて、そんなの腹立たしくて仕方が無かった。  私には何も相談なく、勝手に事が決まっていたのにも、憤りと悲しさを感じずにはいられなかった。  朝ごはんを食べようと冷蔵庫を開けると、あの日帰り際にサラに預けたミニシューの残りが丁寧に入っていて、今度は私が溢れる涙を抑えるのに必死だった。
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