俺だけでいい。

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「…以上を持ちまして私からの歓迎の言葉とさせて頂きます。在校生代表、希道光星。」 一気に会場が拍手に包まれた。 太陽の光でさえも彼の味方をしているのか降壇の道を明るく照らしている。 降りようとした時、パチリと目が合った。 希道…、いや会長はニコッと微笑んだ。 あれ、デジャヴだ… そう思った途端、視界が真っ暗になった。 「見てはいけませんよ…」 真司の声だ。 耳元で囁かれ、少しくすぐったい。 目を塞がれたとなると、あとは聴覚しか頼れるものはない。 耳を澄ますと、周りにいた男子生徒の声が聞こえた。 「俺に!俺に笑いかけてくださったんだ!」 「違うよ!僕にだよ!!」 男子とは思えないような黄色い声。 なんだ、俺じゃなくてこいつらだったのか。 妙に納得感はある。 存在は知っていても一応初対面だし笑いかけるなんてありえない。 そうやって自己完結に終わらせると、目隠しが外された。 リップ音と共に。
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