俺だけでいい。

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入学式も終わったところで、各クラスに移動し自由時間となった。 クラスの奴らは元々知り合いだった同士や同じ趣味を持った人を見つけて話しかけている。 その為か教室内はガヤガヤと賑わっていた。 …一部を除いて。 俺は教室の端っこでその光景を見ていた。 社交辞令以外の目的のコミュニケーション能力は生憎備わっていない。 友達など一人もいないのが現状で。 今回も出来ないだろうと諦めていた。 だがお前は違うだろ真司。 なんで、俺の隣で同じように見ていんだよ。 早く話しかけないと出遅れるぞ。 そう睨むとなんでしょうか、と言われた。 なんでしょうかじゃねぇよ。 早く行けよ。 「……目障りだ。視界に入ってくるな。距離を置け。」 「はい、かしこまりました。」 一礼した後、真司はクラスの輪の中へと近づいた。 やはり俺が原因だったのか真司は次々と話しかけられ、いつの間にか人気者みたく人に囲まれている。 これでいいんだ。 ため息を吐くと、窓に持たれかかった。 つるつるに磨き上げられた机に反射して淡く青い空が写っている。 ただそれをぼーっと見つめるだけの時間が過ぎた。
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