キツネのお面

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キツネのお面

自分の真下にキツネのお面を半分かぶった小さな女の子が ゆらゆらと揺れながらこちらを見ている。 少女のお面から覗くその目は暗く紫色をしていて 部屋の明かりに反射してかすかに光っていた。 その目に吸い込まれそうになった時、女の子が 「闇さんからの警告だよ、いつでもキミのコトをのっとって キミのまわりの人をイツデモコロセルヨって…キキキ」 そういった少女の口元はまったく動いていないことに気が付いた俺は 心の動揺が隠せない。 「キキキ…キミのオモッテいる事はボクにはわかるよ、 人間の言うコトバには言霊が宿っているから ボクたちははっせられないんだ…キキキ」 「ダカラネ、君のココロニ直接話しかけてイルノ…キキキ」 コトダマ?ヤミサン?ケイコク?イツデモコロセル!?何時でも殺せる? 一体どういうこと!? そう思った瞬間 「ソウヤミサンはキミの事イツデモコロセルって警告しているんだ…キキキ」 さっきから言っているヤミサンって誰だよ… 殺せるって何だよ… ってかキツネのお面のお前は誰だよ… そう思った瞬間また心に声が届く、 とても不思議な感覚だ頭の中からでは無くて 胸のずっと奥の方心から聞こえてくるそんな声だ 「シー、その言葉コエニ出したらダメだよ、 コエニ出すと言霊が宿るから大変なことになる、 順番にキミの質問にコタエルネ…キキキ」 「闇さんはネ、・・・キミたちの世界で言う死神、 コロセルのは闇さんが死神だからネ、 ソレカラ…ボクは・・・ダレデモないよ…キキキ」 誰でもないってどういう… 「んー、アレヨアレ、ヤミノセイレイだニョ…キキキ」 だにょ? 「マァとにかく、アレダ、キミが闇さんに選ばれてしまったって事、 でキミハ闇さんの身体になって 闇さんのホシイモノを提供するコトニナルンダ…キキキ」 闇さんの欲しいもの?
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