逃避

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「よーすっ!」 学校につくりなり、カズが話しかけてきた。 「もうすぐ節分だってなぁ!こえぇよなぁ。俺の親父なんて防犯だとかいって、自分の職場から警棒ぱくってきてやんの。…なー?聞いてる?」 「…聞いてるよ。お前の親父さん昔から鬼人にうるさいもんな。」 返事をするとカズは満足そうな表情をする。 「そうそう。あ、親父が今年はお前も家に呼んでいいって言ってたぞ。どうする?」 …そっか、カズは今年から俺が一人暮らしなのを知ってたんだったな。 「あぁ。大丈夫だよ、俺は。」 カズが座っている席とは逆側に顔を向けて返事をした。 「ふーん、そっか。まぁ何かあったらすぐ連絡よこせよ。けど、警戒するだけ損かもしれねぇけどな~。俺なんてテレビでしか鬼人みたことねーし。」 カズは続ける。 「それに、鬼人って普段は人と同じ見た目なんだろ?節分になると少し変わるみてぇだけど。さてはお前も鬼人だったりしてな~」 そう言うとカズは俺の顔を覗き込んできた。 「俺が鬼人だったら、ホームルーム前の貴重な睡眠時間を阻害するお前はとっくに食い殺してるわ」 「うわっ!こえーこえー、おれぇ便所いってくるわ!」 トイレくらい宣言せずに行けってんだ…。 カズが席を離れると赤也は目を閉じて、ホームルームが始まるのをまった。
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