0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「よーすっ!」
学校につくりなり、カズが話しかけてきた。
「もうすぐ節分だってなぁ!こえぇよなぁ。俺の親父なんて防犯だとかいって、自分の職場から警棒ぱくってきてやんの。…なー?聞いてる?」
「…聞いてるよ。お前の親父さん昔から鬼人にうるさいもんな。」
返事をするとカズは満足そうな表情をする。
「そうそう。あ、親父が今年はお前も家に呼んでいいって言ってたぞ。どうする?」
…そっか、カズは今年から俺が一人暮らしなのを知ってたんだったな。
「あぁ。大丈夫だよ、俺は。」
カズが座っている席とは逆側に顔を向けて返事をした。
「ふーん、そっか。まぁ何かあったらすぐ連絡よこせよ。けど、警戒するだけ損かもしれねぇけどな~。俺なんてテレビでしか鬼人みたことねーし。」
カズは続ける。
「それに、鬼人って普段は人と同じ見た目なんだろ?節分になると少し変わるみてぇだけど。さてはお前も鬼人だったりしてな~」
そう言うとカズは俺の顔を覗き込んできた。
「俺が鬼人だったら、ホームルーム前の貴重な睡眠時間を阻害するお前はとっくに食い殺してるわ」
「うわっ!こえーこえー、おれぇ便所いってくるわ!」
トイレくらい宣言せずに行けってんだ…。
カズが席を離れると赤也は目を閉じて、ホームルームが始まるのをまった。
最初のコメントを投稿しよう!