逃避

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「はじめまして。CDSの寺嶋です。今日は、対鬼人講習の講師として参りました。どうぞ、よろしく」 寺嶋と名乗る職員は、生徒の一人ひとりを確認するように見渡しながら話している。 「早速だが、皆さんはこの機械をご存知でしょうか。」 寺嶋はそういうと、右手首に付けていた金属製の腕輪を外して見せた。 「これは、D.ディテクターという機械です。ディテクター、つまり探知機です。我々はコレを使って、人と鬼人を見分けます。」 「このディテクターですが、精度は99.999%。検知された者はほぼ間違いなく鬼人ということになります。この機械の周囲半径15m内であれば確定検知範囲といって、確実に検知できます。」 寺嶋は一呼吸おく。 「でだ、」 口調が変わった。 「今日、この場に、鬼人が紛れ込んでいる」
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