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先輩、お久しぶりです。
他人の卒業式であんなに泣くとは思わなかった。
俺はまだ中学一年。三年生を送り出す大切な日、花束を渡す為に校門の近くで“彼”を捜した。目が合った彼は笑顔で駆け寄ってきてくれて。俺もいつか手にする卒業証書の存在感が凄くて、目を逸らしたかったんだ。
同じ吹奏楽部でお世話になった憧れのひと、紅本皐月先輩の卒業式は辛かった。
またこの人に会いたい。離れたくない。
そんな想いだけが膨らんで、二年後に俺は彼と同じ進学校に入学した。
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