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「俺達がこうして話している間にも、対象は何かのトラブルに合い、この世に存在していない可能性だってある。ペットを家族同然と思う飼い主に向かって……お前は同じ事が言えるのか?」
責めるでも諭すでもなく。静かな、けれども強い意思を感じる言葉に
ほんの一瞬でも、相手が人間じゃないからと、事の重要性を軽んじた自分を恥じた。
「すみません……」
うつむき、下唇を噛む。
「いやっ……。悪い。俺も言い過ぎたな……。ここに来る客は皆、俺達の時間を買っている。一分一秒も無駄には出来ない。そう、言いたかった……ん…だけ、ど……え?」
私が泣いていると勘違いしたのか、大狼さんの言葉が尻窄みに消えてゆく。
心配性な所もあるんだ……。
変態で変人。
でも……。
「よしっ……!さっそく飼い主さんの所に行ってきます!」
「お……おう。頼んだ」
上司としては、この人を信頼してもいいのかもしれないと思った。
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