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ベッドからはみ出た足を器用に折り曲げながらこちら向きに寝返りを打った大男。
その身長は推定で180前後。
年齢は33歳。
ウェーブがかった黒髪が目元全体を覆い隠し、男くさい無骨な輪郭、口回りには無精髭。
私から見ればいかにも野蛮でだらしないといった印象。
だが、意外にもこれが女性からよくモテるというのだから不思議でならない。
ワイルド、セクシー、男らしい。
物はいいようだ。
「まあ、いいや。ほっとこ……掃除の時間なくなっちゃっ━━━」
彼の衣服をその辺に放って立ち去ろうしたその時、強い力に引き寄せられた私のカラダは一瞬の内にしてベッドへと押し倒された。
「へ……?」
これはどうしたことか。
恥ずかしげもなく上半身を晒す男のだらりと垂れた前髪の奥、彫りの深い二重瞼の瞳は欲情でもしているみたいにとろんと熱っぽい。
「ちょっと……。何してんですか」
「……わかったわかった。今、良くしてやるから……」
「っ……誰と勘違いしてんだっ!離、せっ……!」
「ああ……いいね。たまにはそういうキャラも」
駄目だ。完全に寝ぼけてる。
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