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デパート
ある日、鈴音は家からバスで15分くらいのところにある、駅前のデパートに出掛けた。
デパートを訪れたリオンにはお気に入りのコースがあり、まず屋上にあるお子さま遊園地へ向かう。
子供の頃から両親につれられて良く遊びに来ていた。
「あー、気持ちいいー。」
リオンは屋上を駆け抜ける心地よい風を顔に受け、屋上の柵の間から街を見下ろす。
ここには、子供の頃ほとんど毎週のように遊びに来ていた。
リオンの家族は車を持たず、公共交通機関を利用して来ることの出来るこの小さな屋上遊園地をご贔屓にしていた。
リオンは大人になっても、一人だけで良くここを訪れるようになった。
なぜならここには、リオンの幸せがつまっているからだ。
今はいない父と、父がいなくなった後リオンを一人で育ててくれた母と、そしてリオン。
リオンがまだ幼稚園の頃、三人でこのデパートの中を楽しみながら見て回っていた。
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