迷宮

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リオンはパンケーキにとても満足して、レストランを後にした。  子供の頃のリオンはお子さまランチを食べた後オモチャ売り場へ行って、その頃流行っていたオモチャで遊んでみたり、気に入ったオモチャがあれば親に買ってもらったりしていた。 そう、デパートに来るとまず屋上へ上がり、一階ずつ降りながら売り場を見て回る。 そして最後は、地下のお惣菜や甘いものを買って、バスにのって帰る。 それがリオンの家の休日の過ごし方だった。  久しぶりにデパートを訪れた今日は、オモチャ売り場へ行く前に急にトイレにいきたくなったリオンは、その階の女性用トイレに向かった。 あの頃のトイレと比べると月とすっぽん? とてもきれいなトイレで、パウダールームやベビーコーナーもあった。 リオンが感心しながらトイレを出てオモチャ売り場の方へ行こうとして角を曲がると、目の前に葉っぱをいっぱいつけた木の絵が書いてあるドアが現れた。 「えーと、こっちから来たはずないけど後ろはトイレで…?」 どっちに行っていいかわからなくなったリオンは、ドアを開ければ売り場に出るだろうと思い、ドアノブに手をかけた。 ガチャッと音がしてドアを開けると、そこには一面森が広がっていた。 リオンは何かのアトラクションに迷い込んだのかと思ったが、そこには本物の木がずっと向こうまで続いていた。 引き返そうとして後ろを振り返っても、そこももう森になっていた。 リオンは怖くなって座り込んでしまった。
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