【第九十九話:赤い靴】

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 首切り役人は、思い切り斧を振り回しました。  でも、カーレンが踊り続けるままですので、上手く足に当たりません。  彼の振る斧は、カーレンの腕を切り落とし、腹を裂き――彼女の体を傷付け続けました。  それでも彼女には傷口を押さえる事も許されず、腹からあふれた臓器をぶらぶらさせながら、相変わらず踊り続ける事しか出来ないのでした。  カーレンは思いました。  ああ、こんな事なら、踊っていた方がマシだったかしらね。 【あとがき:思いついた方法が、必ずしも現状を改善させるとは限らない。かの有名なマリー・アントワネットの処刑の時には、彼女の真っ赤な衣装に驚いた首切り役人が首を一発で切り落とすのに失敗して、大変だったそうです。】
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