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ゴールまであと少し、そう思った時でした。
どさっ!
突然身体が宙に浮き、辺りが真っ暗になりました。
地面に叩きつけられた後、周りを見渡すと、遠く頭上に丸く縁取られた青い空が見えます。
すると、その青い丸の中に、うさぎの顔がぴょこんと現れました。
「やあ、かめくん。気分はどうだい?」
かめは、自分が罠にはめられた事に気が付きました。
「ひ、卑怯だぞ!」
ところがうさぎは、きょとんとした表情をして、こう言いました。
「卑怯? 卑怯なのはどっちだい? 危うく見逃すところだった。君が差し入れてくれたジュースの中に、睡眠薬が入っていたんだぜ。君が入れなくて、一体誰が入れたって言うんだい」
【あとがき:勝負は正々堂々やらないとね。】
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