【第三話:うさぎとかめ】

2/2
40人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
ゴールまであと少し、そう思った時でした。 どさっ! 突然身体が宙に浮き、辺りが真っ暗になりました。 地面に叩きつけられた後、周りを見渡すと、遠く頭上に丸く縁取られた青い空が見えます。 すると、その青い丸の中に、うさぎの顔がぴょこんと現れました。 「やあ、かめくん。気分はどうだい?」 かめは、自分が罠にはめられた事に気が付きました。 「ひ、卑怯だぞ!」 ところがうさぎは、きょとんとした表情をして、こう言いました。 「卑怯? 卑怯なのはどっちだい? 危うく見逃すところだった。君が差し入れてくれたジュースの中に、睡眠薬が入っていたんだぜ。君が入れなくて、一体誰が入れたって言うんだい」 【あとがき:勝負は正々堂々やらないとね。】
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!