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【第三話:うさぎとかめ】
足が早い事が自慢のうさぎは、或る日、足の遅いかめの事を馬鹿にしました。
「君みたいにのろい動物は、他にいないだろうね」
するとかめも意地になって、こんな事を言います。
「そんなに言うなら、明日、お山の向こうをゴールにして、僕と競走しようじゃないか」
「いいとも」
という事で、うさぎとかめのレースが行われる事になりました。
号砲が鳴り響くと、うさぎは自慢の足で一気にお山の向こうを目指します。
ふと、後ろを振り返って見たところ、かめの姿は見えません。
「そうら、やっぱり遅いじゃないか。かめが来るまで、一休みしよう」
うさぎはそう言って、柔らかい草の上にごろんと寝転がると、すぐに眠りについてしまいました。
暫くして、かめがやって来ました。
しかし、うさぎはまだ眠ったままです。
かめはそのまま、ゴールを目指して歩いて行きました。
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