第7話

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第7話

「ちなみに慧介、あなたとお父さんの家族二人だけにしちゃったけど、きちんと仲良くしている?」 「それは……今も部屋に引きこもっているからそれはないかな」  そう、俺が父と顔なんて合わせたくないなんて維持張って、部屋に引きこもっているせいで、父が毎朝部屋に朝ごはんを持ってきてくれるとき、たまにの早起きで顔を合わせる程度だ。 「そっか……ちなみに部屋に引きこもってどれぐらい?」 「あと少しで一カ月かな」 「……お父さんあなたのことを気にしていると思うの」 「まあそうかもだけど」 「それに寂しがっていると思う。だから少しはお父さんと話してやって」 「……」 「それで、私の代わりに慧介がしっかりとお父さんのことを支えてあげてね」 「…………ああ……」 「約束ね」  母はそう言って右手の小指を出してきた。俺はそれに導かれるように右手の小指を母と同じく前に出し、交えた。  その指はこの上なく温かかった。 「絶対に約束は守るのよ」    俺は母の手を思いっきり握った。  母はそれ以上に強く握り返した。  母は思いっきりに笑った。  俺もつられて笑った。  視界が暗くなった。  明るくなった。  夢から覚めた。  陽が昇り、朝が訪れていた。  俺は部屋のドアに手をかけ下に回した。
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