序章

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◆◆◆◆◆ 『親愛なる父君 今日、私の姿がないことにさぞ驚かれたことでしょうね。 私は城を出ることにいたしました。 あれほど嫌だと申し上げた王子との結婚話を勝手に進められたこと、恨みに思います。 一も二もなく同意された父君はじめ、私を他国へ売ろうとした臣下たちのことは許せません。 ワイズ国のアルケット王子にはお断りの文をしたためました。 父君がこれをお読みになる頃には、アルケット王子も私の文を読んで激怒されていることでしょう。 ルノワールを突き落としてやろうと思うのはワイズ国だけではないことを、心お留めくださいますよう…… あなたのかわいい娘 アスタル・シェル・ルノワー』
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