二章 山賊退治

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「……つまり?」 とは再び、エスメラルダ。 完全にアスタルの次の話の道筋を見失ってしまった為の問いかけだったが……ランディスはその先のアスタルの言葉を読んで、額に手をやり首を横へ振った。 アスタルは意気揚々と言う。 「つまり。 彼らに引き続きこの辺りの警備を任せてみてはという事です。 もちろん肩書きは『山賊』ではいけませんから──そうですね、さしずめ『自警団』あたりが良いと思いますが。 ひと月の謹慎の後、彼らには自警団として自らの能力を存分に活かしてもらう。 謹慎の間にはランディスの手配する国境警備の者達に、この山の事を色々と教えて差し上げるといいでしょう。 山賊が解体されたという話がトーシュウェルに行きつき、向こうがルノワールを攻める為の軍備を整えている間には、自警団の者達の謹慎も解けるはず。 彼ら自警団と、ランディスが手配してくれる国境警備の騎士達。 この二つを併せ持って国境を守ってくれるのならば、トーシュウェルなど敵ではありません」
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