二章 山賊退治

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うきうきと互いに楽しそうに語り合うアスタルとケレスに──。 ──いやいやいや、頼むからやめてくれ!! というか現地の情報をアスタル様に流す事までしてたのか! ランディスを始めとする青の騎士団の面々とエスメラルダが疲れ切った様子で心中で突っ込みを入れる。 皆の心の声に気づいているのかいないのか、ケレスはあくまでのほほんと──まるで何でもない世間話でもする様にアスタルへ声をかける。 「それで、これから城へ戻られるおつもりですかな? 父王はさぞお怒りでございましょうなぁ」 アスタルはそれに頬に手を当て──実際どこまで本気なのかは不明だが──困った様に「そうなんですわよねぇ」とのんびり返す。 「家出の事はまだしも、アルケット王子への無礼な振る舞いを考えますと、良くて尼僧にさせられて修道院行き、悪ければ廃嫡の上死刑、といったところでしょうか」 う〜ん、とどことなく呑気に言うアスタルに。 「〜しっ……死刑……っ!??」 ギョッとして大きく声を上げたのはエスメラルダだ。
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