二章 山賊退治

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同じく一瞬ギョッとした顔を見せたランディスは「は……はは……」と乾いた笑いをし、「まさか」とやんわりと否定する。 「さすがの陛下も、そこまではなさらないでしょう。 此度の山賊の一件、結果的にオードギル伯爵らの不正を暴き、村々を平定なされた訳ですし、隣国トーシュウェルとの国境も強固なものに出来ました。 この功績を以ってすれば、さすがに……死刑までは……」 そう言いつつも確証が持てないのは、王の気質をよく知っているからだ。 情には厚いが、情に流されない。 娘だからと言って、国益を大きく損ねたアスタルを簡単に許すとも思えない。 もしアルケット王子やワイズ国がアスタルを許さぬ構えなら処刑も致し方なしと判断するかもしれない。
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