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陣痛は長く、苦しく、病院の陣痛室に入ってからすでに二十時間が経過しようとしていた。
「子宮口が開きましたね、分娩室に移動しましょうか」
定期的に様子を見に来てくれる看護師さんが、ようやくそう言ってくれた。間欠的に襲ってくる痛みは、例えようもない。でも――
大丈夫、この苦しみの先に待っているのは喜びでしかないのだ。今まで感じてきたような、終わりのない精神的な苦しみとは違う。梛君を失う痛みとは、異質だ。
大丈夫、乗り越えられる――
それから三時間後、私はこの世で最も美しい声を聞いた。
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