13 ふたりだけのクリスマスイブ

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 隣を歩く高折くんをちらっと見上げる。マフラーを首にぐるぐる巻きつけている高折くんは、まっすぐ前を向いたままだ。  ひんやりとした風が吹いて、わたしもマフラーを鼻まで押し上げた。  あの夏の終わりの、どしゃ降りの雨が降った午後。高折くんがうちに来た。  あれから四か月。すっかり季節が変わった今日、わたしははじめて学校以外の場所へ、高折くんと出かける。  ふたりでバスに乗って、駅へ向かった。お母さんや冬ちゃんと何度も来ている場所なのに、今日はいつもと違って見える。  駅前の待ち合わせ場所についても、まだ誰も来ていなかった。 「みんなまだみたいだね」 「うん」  白い息をはきながら、ふと近くのお店を見ると、クリスマスの飾りつけがしてあった。  赤や緑で彩られたサンタクロースやトナカイのぬいぐるみ。どこかからクリスマスソングも聞こえてきて、ちょっとウキウキしてくる。 「よかったの?」  高折くんの声に、わたしは隣を見る。 「お母さんたちと、ケーキ食べないで」 「あ、うん」 「なんか無理やり誘っちゃったかな……おれ」  わたしはあわてて首を振る。 「違う。無理やりなんかじゃないよ? お母さんたちとはいつでも食べれるし」  高折くんが小さく笑ってつぶやく。 「いつでも食べれるわけじゃないよ。突然食べれなくなるときもある」 「あ……」  突然の事故で……高折くんのお母さんは亡くなってしまったから。  わたしは持っていたバッグをぎゅっと握る。そんなわたしに高折くんが言う。 「今日さ、ケーキ買って帰ろうよ。で、帰ったらみんなで食べない?」 「うん」  わたしはうなずく。 「うん。そうしよう」  高折くんは笑って、それから空を見上げた。  真冬の、雲ひとつない青く澄んだ空。わたしもそれを一緒に見上げる。  ずっとこうしていたいな……そんなことをふと思った時、高折くんの電話が鳴った。
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