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今日は下駄箱で東條に会うことはなかったが、教室へ入るともう登校している東條がいた。音で気づき俺の方を見ていつものように、
「佐久間くん、おはよう。」
と声をかけてくれる。
「おはよう、東條。昨日はごめんね。謝る必要はないかもしれないけど、後でとか言っといて、思いっきり寝ちゃった…。」
と正直に話すと、クスクスと少し笑ってから
「私が教室に戻った時は気持ちよさそうにスヤスヤ寝てたよ。」
「せっかく東條オススメの朝の静かな時間を楽しもうと思ってたら、寝ちゃったよ。」
と茶化して返すと、
「それはある意味堪能したんだと思うよ。」
と返してくれる。
「それにしても、東條はいつもの何時に寝てるの?眠くないの?」
「22:30くらいには眠くなっちゃうから。その分早く起きれるんだ。」
と明るく答える。
「はぁー。東條ってすごいよな。欠点なさそうだよな。」
「そんなことないよ。私ドジだし、今日だって着いてからびっくりしたんだけど、筆箱と間違えてエアコンのリモコン持ってきちゃったんだ…。」
とはにかみながらカバンからリモコンを取り出す。
「どうやったら間違えるんだよ。」
と茶化すと、
「分かんない。時々やっちゃうのだけど、情けなくて仕方ないよ。」
と笑って返す。
「その時は授業どうしてるの?」
「ん?未来ちゃんにペンとか借りるんだ。」と。未来ちゃんとは、藤本未来と言って俺からみてもおそらく東條が一番仲のいい女子だ。
「あれなら、俺が貸してやろうか。今日は俺が先に知っちゃったし。」
「え、いいの?」
「筆記用具くらい構わないよ。」
と言ってシャーペンと消しゴムを取り出す。
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