3人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
東條は少し申し訳なさそうにしながら、
「ごめんね。でも、今日はもう佐久間くんが貸してくれたから大丈夫。」
と返す。そこで、藤本未来は初めて俺がいたのを認識したかのようにこっちを見る。
「あ、おはよう。」
と声をかけると、
「おはよう。佐久間と雫ってそんなに仲よかったっけ?」
「え?佐久間くんとは時々話すよね。去年もクラス一緒だったし。ね。」
と東條から振られ少し動揺しながら、
「そうだよ。仲良いよな。」
と返すと、
「ふーん。」
と聞いたくせに興味なさそうに返してくる。というよりは、何か警戒してるかのような目つきだった。
「未来ちゃんも佐久間くんと話してみれば。優しいし。」
「別に話すことないからいいや。」
とバッサリ切られる。藤本は男勝りとまではいかないが、さっぱりとした性格で女の子にしては背が高く、陸上部に所属している。彼女の存在もあり、東條に近寄りがたい一因にもなっている。頑張って藤本とも仲良くならなきゃ東條とも仲良くなれないだろうなと思っている…。
最初のコメントを投稿しよう!