違和感

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「そういえば、雫。あの宿題やってきた?」 「やったよ。」 「ちょっと自信ないとこあるから教えて。」 と言って今日の二時間目にある数学のテキストを取り出し、東條と二人で話し出す。東條は気づいていないようだが、自然と俺は会話から弾かれてしまった。一瞬、俺も宿題の話題で入って行こうかとも考えたが、より藤本から警戒されそうだと思いやめた。カバンから文庫本を取り出し読むことにした。今朝出るときに、朝早く行くなら東條がいなくても読書の時間に当てられると思って、用意しといたのだ。普段から小説などを読むのは好きな方だ。ただ最近はTVやスマホなど色々魅力的なものもあるため、なかなか小説などにゆっくりと時間を割くこともなかったため、これからも朝のこの時間を有意義に使おうと思っていた。しかし、いざ読み始めて数ページもいかないうちに、背中をはたかれた。 「痛っ。」 と思わず声を上げると、 「おはよう。意外に続いてるじゃん。」 とニヤニヤしながら言ってくる。 「お前は毎回普通に挨拶できないわけ?」 「スキンシップだよ。」 「頼んでない。」 「まぁ、そう冷たいこと言うなって。今日は成果あったか?」 と言われ、思わず少し頬を緩めながら 「まぁな。」 と答える。 「お、じゃあ今日も放課後案件かな?」 「あ、悪りぃ。今日は放課後レポートの添削受けなきゃいけないんだ。」 「あぁ、そうなのか。じゃあ、またどっかで絶対聞くわ。」 と言って自分の席へと向かっていく。少しして始業のチャイムが鳴り、授業が始まっていった。そして、何事もなく1日が終わっていく。
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