想い人

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 そんな思いを抱えながら目の前の信号が赤になるのを見て、少しイライラをする。このまま行っても、番組までには間に合うはずだが、それでも待つ時間ができてしまうと、気になってしまう。睨んでも変わらないのはわかっているが、今か今かと歩行者信号を睨んでいるときに、目の端にある人が飛び込んできた。四車線の道路を挟んだ先に、同じクラスの東條雫を見つけたのだ。あちらはこっちに気づいている様子はないが、少し心が昂ぶった。何を隠そう今一番気になっている子だったからだ。身長は少し低めで、髪型はボブで清楚で大人しい女の子。高嶺の花とまではいかないが、静かに人気があるのは知っていた。普段は本当に物静かで大人しい子だが、口を開ければ少し天然なとこもあり、身長も相まってその姿はとても可愛らしく、一見小動物のようにも感じさせる子であった。そんな姿に惹かれ、まぁ気になるというより完全に好きな子であった。
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