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母さんには心配いらないことを伝え、急いでシャワーを浴びる。ループされているのではないかと意識しながらも、やっぱり東條の姿を確認するまでは安心できなかった。とにかく急いで準備して学校へと向かう。部活動をしている人達には見向きもせず、ただ教室を目指す。息を切らしながら勢いよく教室のドアを開けるが、そこにはまだ誰の姿もなかった。しかし、一度目の時はこのすぐあとに声をかけられたことを思い出し、廊下を伺うが見当たらない。一旦荷物を置いて深呼吸をする。そして改めて頭を整理していく。俺はもう既に二度11月18日をそして東條を失っている。それはもう確信していた。どうして東條が殺される度に俺は11月15日に戻ってくるのかと考えているうちに気づいたことがあった。もしかして…。
「佐久間くん?珍しく早いね。」
と声がして慌てて振り向く。教室の後ろのドアから東條が入ってきていた。考え事に夢中で誰かが廊下を歩いている音すら気付けていなかった。
「東條…。よかった…。」
と呟く。同時に今度は涙が出てきてしまった。
「どうしたの?」
と慌てて東條が近づいてくる。自分でも驚きと恥ずかしさから慌てて目を拭う。
「なんだろう。さっきあくびしたからかな?ははは…。」
「本当に大丈夫?具合悪いわけではないの?」
「ありがとう。大丈夫。」
「それならよかった。」
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