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一握りの勇気
2回目の11月15日は、何をどうしたら東條を助けられるのか必死に考えていたため、全く授業に身が入らず、何度も怒られ遂には放課後職員室に呼び出されてしまった。こんなことしてる場合ではないのに。こってり20分もしぼられた…。久々にすごい怒られた感じがする。溜息をつきながら、トボトボと荷物を取りに教室へと戻る。案の定、東條はおろか匠すら姿はなかった。だが、これでまたはっきりしたことはある。今までの11月15日では匠と必ず一緒にマックに寄ったりしながら帰っていた。しかし、これでその線はなくなった。やっぱり俺の行動ひとつで未来が変わる。そして、もう一つ分かったことは、単純に18日の夕方にあの商店街の交差点に東條がいなければいいのだと気づいた。
「そんなことで東條の命が救える。」
言ってみればより単純なことのように思えてきた。
「よし!」
やることが明確になってきて、より気合いも入ってきた。これは俺にしか出来ないこと。やるしかない。
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