違和感

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 元々夢で早く起きてしまったことやそそくさと家を出てしまったことから、始業の1時間前には学校に着いてしまうという、普段ならあり得ないことをしてしまっていた。こんな時間に登校しているのは、熱心な朝練をしてる部活の人達くらいだ。俺は部活に所属していないため、こんなに朝早く着いてしまうのは初めてだった。いつもは10分前くらいに着くように行っているが、東條はその時には登校してることが多く、実際いつも何時頃に来てるのかはよく分かっていない。それでも、早く確かめたい気持ちで未だに足を緩めることなく教室へと向かう。  少し息を切らしながら教室に辿り着き深呼吸をして、ドアを開けた。いつもの窓側前方の席に東條の姿はなかった。 「いないか…。」 そう呟きながら、こんなに早くいるわけないのだから仕方ないと自分に言い聞かせるしかなかった。
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