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「はぁー。」
と溜息をついたところで、
「佐久間くん?珍しく早いね。」
と後ろから声がした。慌てて振り向くとそこには東條がいた。
「東條…。」
「おはよう。今日何かあるの?」
といつもの笑顔で話しかけてくれる東條を見て心の底から安堵して、力が抜けてその場に座り込んでしまった。
「佐久間くん、どうしたの?お腹でも痛いの?」
とまた素っ頓狂なことを言い出すので、おかしくなって笑い出してしまった。すると、東條はさらに動揺して、
「先生呼んだ方がいい?」
と繰り返している。
「ごめん、ごめん。なんでもないよ。東條、おはよう。」
「おはよう。本当に大丈夫?」
「うん、びっくりさせてごめん。東條朝早いんだな。いつもこの時間?」
「そうだよ。佐久間くんこそ今日はどうして早いの?」
「いやー…。目覚ましが壊れちゃって寝坊したと思って確認せず慌てて家出てきたら、こんな時間だったんだよ。」
「そうなんだ。遅刻じゃなくてよかったね。」
と言いながら、東條は自分の席に荷物を置きに行く。俺も斜め後ろの自分の席に荷物を置きつつ、
「東條はなんでいつもこんな早く来てるの?」
と聞く。
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