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そうこうしているうちに、ちらほらとクラスメイト達が登校し始めてくる。自然と東條との会話は終わってしまったが、いつも以上に関われたことに喜びすら感じていた。その喜びに浸っている時に、
「うぇー。健二が俺より早く来てる。雨でも降るんじゃないか。」
と教室の入り口から声をかけてくる。こいつは霜山匠。唯一の親友だ。
「うるせぇ。」
と一蹴するが、東條が斜め前でクスクス笑ってるのが見えてそれでまたほっこりとする。
「いやいや、本当になんでこんな早いんだよ。いつももう少し遅いじゃん。」
「色々あんだよ。それに朝早く来るのも悪くなかったしな。」
と最後の一言は匠にしか聞こえないように小さい声で呟く。
「なんだなんだ。面白そうだから聞かせろよ。」
とお構いなく大きな声で言ってくるので、無視し続けるが、肩を揺さぶりながらしつこく聞いてくる。
「もう鬱陶しい。あとで話してやるから。あーあ、せっかくの朝の静かな時間が台無しだ。」
とまた東條の反応を誘うがその頃にはもう東條は別のクラスメイトと話していた。
「そんなキャラじゃないくせに。まぁ、今日放課後にでも聞くわ。」
と言って匠がやっと自分の席に戻っていく。そして、いつも通りの学校が始まっていった。
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