第一色・―この赤に至るまで―

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 毎日大変だった。  芸術作品を作り、飾り立てるのは一苦労だが、その分達成感もある。  あの人はもういない。成長したボクに、「卒業試験」の代わりに、芸術となってもらったからだ。  赤。  になって。  あのひ、とも、よろこ、……んで、いるだろう。  あの人は言いました。最期に。後継者という名の芸術を、いつか、作れと。  いつかがいつかはワカリマセン。ボクはまだ五歳です。ごさいでスカラ、難しい事は、まだ理解できません。  多分。  でも、多分。  新しいボクを作れば大丈夫なのかな、って思いました。  そのために必要なモノとシチュエーションを揃えなければいけない。芸術としてのテーマも、出来れば持たせたい。  さて、何にしようか?  インパクト大の獲物でもいればと、日々、芸術を漁る日々です。  すっごい沢山の、山みたいに大勢、凄く、芸術が、溢れてきています。  段々と隠すのが困難になってきた。  そのせいである日、刑事に目をつけられた。  ずっと以前から事件を調べていて、とうとうボクという存在まで辿り着いたらしい。  とても優秀です。
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