10人が本棚に入れています
本棚に追加
毎日毎日、くる日もくる日も観察して、得られたのは、この刑事にも五歳の息子がいるという事。
とても幸運だった。
降って湧いたような嬉しい偶然に、五歳のボクは喜びを禁じ得なかった。
だって、刑事の息子なんて、とてつもなくうってつけの後継者じゃないか。
だから決めた。
刑事とその妻を目の前でコロして、こいつを後継者にしよう。
そしたらまたボクが作れる。新しいボクはまた、新しいボクを作ってくれるだろうか。
不安で堪らないけれど、やるしかありません。
ボクは五歳だけど、やる時はちゃんとやります。
刑事の家は分かっています。間取りも調べてきました。妻のいる時間、刑事が帰る時間、五歳が起きている時間、全て知っている。
さぁ、殺戮の時間だ。
赤を、作ろう。
五歳のヒトは悪くない。
赤を消そうとする連中が悪い。
げいじゅつをコワソウとする連中がワルい。
ワルい。
ワルい。
だから、コロします。
まずは妻。五歳を、身を挺して庇った。無駄。
刑事。抵抗したけど、げいじゅつをつく、るヒト、の前では、むいみ。
さぁ、仕上げは五歳だ。
最初のコメントを投稿しよう!