チョコラティゼ

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 彼に出会うまで、異性から想いを告げられたことなんて一度もなかった。田端くんが初めて。しかも、誰が見ても文句なしのイケメンで、優しい。ときめかないわけがなかろうが。  だけど。  わたしは逃げた。彼の手から荷物を奪い返し、地下鉄の降り口までスプリンターばりのダッシュ。  そして、叫ぶ。金曜日の繁華街の中心で。 「――――わたしは、君が、嫌いなんですってば……!!」  君に答えられるそれ以上の理由が、残念ながら、ない。
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