6人が本棚に入れています
本棚に追加
彼に出会うまで、異性から想いを告げられたことなんて一度もなかった。田端くんが初めて。しかも、誰が見ても文句なしのイケメンで、優しい。ときめかないわけがなかろうが。
だけど。
わたしは逃げた。彼の手から荷物を奪い返し、地下鉄の降り口までスプリンターばりのダッシュ。
そして、叫ぶ。金曜日の繁華街の中心で。
「――――わたしは、君が、嫌いなんですってば……!!」
君に答えられるそれ以上の理由が、残念ながら、ない。
最初のコメントを投稿しよう!