チョコラティゼ

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*  中学生のとき、一つ上の先輩を好きになった。  スポーツ全般が得意で、模試では常に上位にランクインするほど頭脳も優秀。笑顔が仔犬みたいに可愛らしい人。当然、モテないわけがない。  田端くんと、少し雰囲気が似ていたかもしれない。  二年間ずっとひそかに想いを寄せていて、でも、なかなか告白できずにいた。  だって、わたしのほうが彼より背が高かったから。  入学したばかりの頃は、むしろ彼のほうが高かった。成長期のわたしは、それからみるみる身長が伸びて、気がついたら先輩を追い越していた。  勇気を奮い出せずに卒業式を迎えて、想いは高校に持ち越された。  先輩を追いかけて、頑張って勉強して入学した高校。やり遂げた感動を引きずったままのわたしは、その勢いで桜の木の下で告白。  結果は、玉砕。  全身を震わせながら想いを告げると、先輩は困った笑顔で言った。 「ごめん。だって、並んで歩けないよ」
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