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第十二章 帰郷
新幹線とモノレールを乗り継いで、
二人は小倉にあるアキヒトの実家に着いた。
道すがらハルカさんが何人かから振り返られる。
目立つのだ。
“この人はやっぱりすごい美人だ。”
アキヒトは鼻が高かった。
実家のマンションについてインターフォンを鳴らす。
いよいよだと思うと緊張してきた。
「ただいま。」
扉が開きアキヒトが声をかけると、母さんが出てきた。
「こんにちは。お世話になります。」
ハルカさんが頭を下げて、手土産を渡す。
「よろしければどうぞ。」
「まあ、わざわざありがとう。どうぞ、中に入って。」
アキヒトは先に中に上がる。
なんだか今更緊張してきた。
と、ハルカさんの背中越しに
「ただいま!」と声が聞こえる。
弟のカイトだった。
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