1人が本棚に入れています
本棚に追加
第十七章 反抗の原因
夕食時もほとんど口を聞かず、
食べた後は黙って自分の部屋へ行くカイトを
アキヒトは何も言わずに見ていたが、
「ねえ母さん、アイツ最近何かあった?」
と小声で聞いた。
「ああ、アルバイトを始めたのよ。春から頑張ってるよ。」
「すごいなあ、まだ高校生なのに。」
と、ハルカさんが感嘆する。
カイトに嫌な態度を取られているのに、なんていい人なんだろう。
「どこで働いてるの?」
「駅ビルの3階にある雑貨屋さん。」
「へえ、母さん行ってみた?」
「ううん、恥ずかしいから来るなって。あの子もそんな年になったんやね。」
「・・・・・・そうなんだ。」
相槌を打ちながら、アキヒトはバイト先に何かあるなと踏んでいた。
母親からカイトのバイト先の名前を聞き出すと、
二人は休む事にした。
最初のコメントを投稿しよう!