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第十九章 偵察
翌日ランチがてら街へ出たアキヒトは、
ハルカさんを連れて、
こっそりカイトの働いている雑貨屋へと向かっていた。
駅ビルも栄えているし、まあまあ都会的な町並みではある。
「なんや、いつもイナカイナカ言うけど、
結構栄えとるやんか。京都駅に似てるな。」
感心したようにハルカさんが言う。
ふるさとを褒められて、アキヒトは嬉しかった。
盆の帰省客が目立つ街の人ごみに紛れて、
駅ビルの入り口からエスカレーターで上がると、その店はあった。
「お、いたぞ。あ、あれ?」
アキヒトがそっと店の様子を伺うと
カイトがエプロンをつけて品出しをしている途中だった。
その隣に見覚えのある顔がある。
カイトの隣にいたのは、
アキヒトの元彼女の金井望だった。
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