1人が本棚に入れています
本棚に追加
第二十三章 アキヒトの不安
「どうだった?ハルカさん。」
後にハルカさんと合流したアキヒトが尋ねた。
戦利品を見せながら二人はカフェで話している。
「うん、エサはまいてきた。」
「エサ?」
「後は食いついてくるのを待つだけや。」
ニヤニヤと笑っているが、一体何をしたのかは教えてくれない。
「カイトくん、アッキーに似ててかわゆいし、
仲良くなれそう。」
うふうふと嬉しそうに笑う顔に、ちょっとムッと来る。
「ハルカさん、まさかカイトのコト
ちょっといいなとか思ってませんよねぇ?」
つい疑惑の目で見てしまう。
なんだかんだ言って、自分の元カノの望に気があるくらいなので
カイトとアキヒトはオンナの趣味は似ているのだ。
アキヒトはそんな事を考えながら、ハルカさんの顔をじっと見た。
カイトは高校生だが大人っぽいし、
本人は気付いていないが結構モテる方だと友人伝いに聞いている。
背もアキヒトより5センチ以上高いし
脚も長い。
ハルカさんが本気を出して、なびかない男なんかいないはずだと思うと
どうも油断できない。
「何言ってるの、アッキーが一番にきまっとるやないの。
妬いちゃって、可愛いなあ。」
ハルカさんに背中を思いっきり叩かれる。
武道経験者だけあって、さすがの力強さだった。
ハルカさんの事を信じていないわけじゃないけれど、
真面目で一途な弟の事を考えると
自分のように彼に惹きつけられないとも限らない。
アキヒトはなんだか不安な気持ちになっていた。
恋して天使?それとも悪魔? VOL8へ続く♪
最初のコメントを投稿しよう!