第一話

1/9
前へ
/9ページ
次へ

第一話

「うわぁぁぁ!!」 足が動かない。 名前のわからない犬のようなモンスター。 鋭く光る、むき出しの牙。赤色の目。 それがこちらに向かって来て。 待て待て待て待て! 僕のそんな思いも通じず、いい餌を見つけた、と言わんばかりの目で僕を捉えて一直線に走ってくる。 体は地面に叩きつけられ、咄嗟に目を閉じる。 死を悟る。この時間が異様に長く感じた。 喰うなら早く喰ってくれ……! その瞬間に、激しい痛み。それと共に聞こえる、鈍い音、僕の情けない悲鳴。 どうして僕がこんな目に……
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加