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第一話
「うわぁぁぁ!!」
足が動かない。
名前のわからない犬のようなモンスター。
鋭く光る、むき出しの牙。赤色の目。
それがこちらに向かって来て。
待て待て待て待て!
僕のそんな思いも通じず、いい餌を見つけた、と言わんばかりの目で僕を捉えて一直線に走ってくる。
体は地面に叩きつけられ、咄嗟に目を閉じる。
死を悟る。この時間が異様に長く感じた。
喰うなら早く喰ってくれ……!
その瞬間に、激しい痛み。それと共に聞こえる、鈍い音、僕の情けない悲鳴。
どうして僕がこんな目に……
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