素材クエスト?グドンとツインテール参上!!

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素材クエスト?グドンとツインテール参上!!

この地球の学校には、国数理英歴体の基礎学問の他にある科目がある。 それが怪獣学だ。 だいたい週に1コマ組み込まれていて、中学校からは地理か公民か怪獣学かの3種選択科目になるんだけど…。 バトルブリーダーズ資格所持者は漏れなく必修授業となる。 給食を食べ時間もたった午後の気だるく眠い時間帯…。 ふぁ~~~…。 あくびがよく出るな~。 そんな時間から始まる怪獣学。 今日の怪獣学の授業は怪獣の成長に関してだ。 白髪混じりの初老のムラマツ先生が黒板に重要な点を書きながら授業が進む。 「であるからして…。 ウルトラストーンを加工した万能DNAや属性別DNA以外にも。 鉱石由来の生命体である怪獣の成長に欠かせ無いのが、天然石に含まれる鉱石栄養素類です。 鉱石由来の機械型怪獣も強化する為には、コレらを必要としています」 「せんせ~い! 口が無い怪獣とかは、どうやって栄養を取り入れてるんですか~?」 「主に体への刷り込み摂取ですね。 今まで確認されている栄養素の種類はその形状や性質から、ハート・スパイン・クロー・ホーン・ブレイン・古代獣の化石結晶等と命名されています。 ここテストに出まーす」 一斉に生徒達がガヤつく。 書く動作をする生徒が一気に3割は増えたぞ。 僕も眠いながらも必死にノートを書き取る。 「で、更にそれら鉱石を元にして人為的に作られたのが格闘思考感情などの素材です。 コレらをカプセル状に加工した物を摂取させる事で、怪獣は成長するのです」 「では、素材クエストとは何か?」 「コレらカプセル栄養素は、ショップで買えるしろモノですが…。 鉱石を採掘し加工してできてます。 コレらの栄養成分を多量に含む鉱石を採掘出来る場所には、怪獣も本能で分かるのでしょう。 多くの野良怪獣が寄って来るのです。 それら怪獣を寄せ付けないよう討伐し、その報酬として様々なカプセルを貰う。 それがブリーダーズが請け負う素材クエストなのです」 と、先生が語った所で、丁度チャイムが鳴り出した。 キーンコーン… 「では、今日の怪獣学はココまで。 次回の授業は怪獣と食についてです」 「きり~つ…きよつけ~…れーーい」 「ハイ…ではまた次回」 怪獣学のムラマツ先生はペコリと頭を下げて教室から出ていく。 ようやく今日の授業が終わった~。 眠かった~。 怪獣学は面白いんだけど、いかんせん授業の時間帯が…。 キツい。 掃除とホームルームを終え、僕は部室棟へと向かう。 この地球の部活動は怪獣関連の部活動も結構多い。 怪獣映像部、怪獣クイズ研、怪獣漫画同好会、怪獣ジオラマ建築友の会。 そして怪獣関連の部活で一番人気は…。 そう!! バトルアリーナ研究会だね!! バトルアリーナ!! 怪獣ブリーダーズかつペーパーブリーダーでないなら、年齢性別全て不問で参加出来る対戦形式の怪獣格闘技だ。 バトルブリーダーズ達が育成した怪獣同士を4対4のチーム戦で戦わせるんだ。 詳しい事は後々語るとして…。 ほぼ一年かけて予選を行い。 年末の大晦日にはバトルアリーナの決勝トーナメントが東京で大々的に行われ、年末特番の定番にもなっている。 ココの地球の年末特番と言えば、紅白歌合戦か、ガキの使い笑ってはいけない怪獣総進撃か、バトルアリーナ決勝トーナメントこの3つさ。 そのバトルアリーナに向けて個々の怪獣育成方針や、戦略研究、模擬戦を突き詰めるのがバトルアリーナ研究会。 最高成績で、あと5回勝てば決勝トーナメントへの出場目前までいった実力人気共にある部活動なんだ。 で、僕が所属している部活は…。 もう分かるね? そう!! バトルアリーナ研…。 の隣りの隣りの部室の…。 怪獣写真同好会です…。 うん…。 人気のある部活動ってね。 全員入れる訳じゃあないんだよ。 入部希望者が人数過多になると、もれなく抽選になる。 体育会系の部活だと運動テストだね。 で、僕は抽選に落ちて怪獣写真同好会へと入部する事になったんだ…。 トホホ…。 「遅れました~すいませ~ん」 引き戸をガラリと開けて部室へと入ると、僕と同学年の女子。 ユーキ・トキノが部室で本を読んでいた。 文庫本サイズだからラノベだろうか? 「あれトキノンだけ? 先輩達は?」 小学校まではずっと同じクラスで、見知った仲だから、僕はトキノの事はトキノンと呼んでる。 「ん…。 部長が今度のバトルアリーナ対策で自主休部するって言ったら皆帰った」 「部長まだ決勝トーナメント進出諦めてなかったんだ… もう後は30連勝位するしか道は無いだろうに…。」 「じゃあ伝えたから、私も帰るわ…」 トキノンはそう言い終わると本を閉じて、 帰り仕度をし始める。 そうなのだ。 怪獣写真同好会はほぼ幽霊部員で構成された…。 幽霊部活動になっているんだ。 それもそのはず。 バトルアリーナ研究会に入れなかった人が、仕方なく別の部活に入るパターンは多い。 そうなると、その部の活動自体も曖昧になってくるよね。 特に文化系部活動では。 その典型が怪獣写真同好会。 ウチの部長自体がそうだから困る。 良いのかな?こんな感じで~? まあ、僕が言えた義理じゃあないんだけどね。
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