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伴侶になったけれど(ルージェ)
これからずっとフェラルドの傍にいられると思うと嬉しくてしかたがない。それも今までの様な主従の関係でなく伴侶としてだ。
朝、おはようとあいさつをして一緒に食事をして、いってらっしゃいとフェラルドを送り出す。
フェラルドが帰るまでの間、フェラルドの母親であるマリーシャや執事に自分がすべきことを学び。
帰ってきたらお出迎えをして夕食をしてお風呂でフェラルドの背中を流してあげて、一緒の寝台で互いの温もりを感じ合いながら寝る。
そんな幸せな時間を夢見ていたというのにフェラルドが家に帰ってこない。
きっと忙しいのだろうと、そう思って我慢した。
それが三日、一週間と続き。今日こそはと期待をしながら待つけれど帰ってこない。
もしかしたらと自分が嫌で帰ってこないのかもと思い落ち込みそうになるが、優しい彼の事だそんなことはないと思い直す。
だが、ひと月も顔を合わせる事無く過ぎ去って、フェラルドは自分が嫌で帰ってこないのだという事が確信に変わり、我慢できなくて美しい花の咲く庭で泣いてしまった。
「ルージェ」
マリーシャは気が付いていた。ルージェが寂し思いをしている事を。だから気にかけていたのだ。
その身を抱きしめてくれる暖かくて優しいマリーシャの温もりに甘える様に縋りつく。
「お義母さま、うわぁぁんっ」
子供の様になきじゃくるルージェの、その背中を優しく撫でる手が、まるで我慢しないでいいのよと言ってくれているかのように感じる。
泣くだけ泣いたら気持ちが落ち着いてきた。
そっとマリーシャから離れれば、ルージェの涙をハンカチで拭いてくれた。
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