伴侶になったけれど(フェラルド)

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 ルージェと顔を合わせるのは数日ぶりだ。 「フェラルド」  目を真っ赤にしたルージェと目が合う。 「一緒に居て、ください」  小さな子供の様に不安げに瞳を揺らして袖口を掴む。 「王子、……ルージェ」 「フェラルド、一人じゃ寂しいです」  腫れた目から再び落ちる涙にフェラルドは胸を締め付けられる。  王宮という温室で育った彼にとって、此処での暮らしは不住で不安なものだろう。  伴侶として家を守る為に覚えなくてはいけない事は山積みなのだ。  望まぬ婚姻から、ルージェから遠ざかる様に放っておいたのだ。 「申し訳……、ありませんでした」  王宮に居た頃の様に胸に手を当て深々と頭を下げる。 「フェラルド」  胸に置かれた手に白い手が重なる。 「私は貴方の伴侶なのだから、ね?」  今、自分がとった行為は目上の者に対する礼で、まるでフェラルドの伴侶として認めてもらえていない様で悲しいと、ルージェの目がそうかたっている。 「そうだよな」  その身を抱きしめる。父がよく母にやっていた事だ。  小さくて細い体だ。それにいい匂いがして顔を髪に埋めるように鼻を近づければ、腕の中のルージェが身動きをする。
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