伴侶になったけれど(フェラルド)

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伴侶になったけれど(フェラルド)

 母親から至急家へ帰る様にと連絡を受け、何事かと急いで馬を走らせ家へ帰る。 「戻りました」  戻るとすぐにマリーシャに部屋に呼び出されて大きな雷が落ちた。 「結婚したばかりだというのに、一人にさせておくなんて何事ですか」  少し不器用だけれども素直でとても可愛らしい伴侶を放っておくなんてと言われ。 「仕事が立て込んでおりまして……」  フェラルドはルージェから逃げていた。  忙しいと理由をつけては宿舎で寝どまりしていたのだ。 「新婚なのですよ。そんなものは部下に押し付けなさい!」  などととんでもない事を言うマリーシャだが、この家の男どもで彼女に逆らえる者など一人もおらず。申し訳ありませんと頭を下げれば、謝る相手が違うでしょうとさらに怒られた。 「王宮では何もさせては貰えなかったと言っていたわ」 「させてもらえなかったのではなく、俺達に用事を言いつけていらっしゃったからな」 「ふふ、そうね。でもそれは別の意味があっての事よ」  なんだ、その別の意味とは?  その意味を聞こうとマリーシャを見るけれど、彼女は微笑んでいるだけで答えない。  きっと自分で聞けと言う事なのだろう。 「この家に嫁いできてから自分に出来ることが少しずつ増えてきて楽しいって言っていたわ。フェラルド、貴方は旦那様なの。だからルージェに色々頼みなさい」  でも、少しずつよとマリーシャに言われ、わかりましたと返事をしてフェラルドはルージェとの部屋へと戻っていった。
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