黄昏の君

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黄昏の君

巫女たちは歌う。百代の古の詩を。 白霧と共に妖魔は押し寄せて、異形の眷族地に満ちぬ。 百代重ねし人王は、(つるぎ)を執りて相対す。 人魔の大戦過ぎ去りて、人の子地に満ち幾星霜。 魔族の灯燃え尽きて、常世の果てへと消え失せぬ。 霧の彼方へ消え失せぬ。 樹海(もり)の奥へとただひとり、『魔王』を遺して消え果てぬ。
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