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『豆の上に眠る』湊 かなえ 先生
キャラクター(主人公) ★
キャラクター(サイド) ★★★
共感度 ★★★★★★
ストーリー ★★★★
ミステリー性 ★★
驚き ★★
勉強になる表現・文章力 ★★
2020/10/5
お久しぶりです。……って、前回から9ヶ月弱ぶり!?
新人賞に応募する作品に注力するためとはいえ、読書をさぼり過ぎました、、、
知り合いに「面白いミステリーない?」と頼んで、借りていた本(なんやかんやで1年近く借りている気がする、、、)を、急いで消費していくことにします。
★の数が少ないのは、あくまでも新人賞向きではない現れです。
新人賞のために、添削講座の先生に率直なご指導を賜っていた分、読みながら、「ああ、こんなふうな作品を先生に送っていたら、酷評されていただろうな」と思わずにはいられませんでした。「こんなふう」の要素を列挙すると、以下の通りです。
・主人公が全然喋らない
・物語のほとんどが回想
・過去と現在が入り混じるため、注意深く読まなければならない
・文章が長い
新人賞に応募する作品は、冒頭から類似のないインパクトのある展開がなければなりません。でなければ下読みが読んでくれないからだそうです。その点、湊かなえ先生が小説推理新人賞を受賞された『告白』は、冒頭から異常な印象でした。
『豆の上に眠る』の冒頭は過去に想いを馳せる、新人賞ではタブーらしい回想。冒頭からしばらくは平凡な印象で、読み進めてやっと過去の誘拐事件が姿を現します。ファンがついてからしか書けない構成だと思われます。
言い回しに対して「もったいぶるなあ」と思いながらも、「どんな衝撃が待っているんだろう」とついついページを捲ってしまい、夜更かしして一気に読み切りました。
「湊かなえ先生といえばイヤミス! 最後の最後に待ち構えているドぎつい衝撃!」と念頭に置き過ぎたせいか、期待に応えてくれる結末ではありませんでした(湊かなえ先生で個人的に一番衝撃だったラストは『リバース』です)。
でも、すごいなあと思ったのは、話の広がりです。
『豆の上に眠る』キーワードから、誘拐事件に話が広がって、事件に関わる大勢の人間の行動や心理の細部まで描かれる。だから、読んでいて苦しくなるほど共感できる。
何かで読んだ記憶があるのですが、湊かなえ先生はちょい役にも履歴書のようなものを作成してキャラづけをするのだそうです。私も真似してみようと思いましたが、無理でした(新人賞の作品では主要人物8人以外はまったくキャラを考えませんでした)。
偉そうに分析するものの、プロの書き方には到底及ばない。読書量を増やせば追いつくものなんでしょうか?
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