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『虹を待つ彼女』逸木 裕 先生
キャラクター(主人公) ★★
キャラクター(サイド) ★★★
共感度 ★★
ストーリー ★★★★
ミステリー性 ★★★
驚き ★★★
勉強になる表現・文章力 ★★
2019/8/4
最近一週間で読みきれません、、、
本を読むタイミングは決まって職場での昼休み中か、どこか遠出する際の電車の中なので、読書の時間をあまり作れていないのが原因です。
家で動画やテレビばっかり見ずに本を読め!と頭では自分を叱っているのですが、どうも家では本に手が伸びません。
そんなこんなで図書館の返却期限(一回Webから延長したので貸出期間は1ヶ月)が来てしまい、読みきれないまま返却処理。
すぐにもう一回借りるのは流石にダメだろうと思いながら「返却した本って、何週間後に借りれますか?」と聞いたら、「すぐに借りれますよ」と言われ、ラッキー!
おかげさまで最後まで読みきれました。
人工知能が大きなテーマである本作。
最近よく耳にするワードで、うちの会社でもそろそろ人工知能を取り入れる、、、なんて言ってますが、本書が発売されたのは3年前。
作者の構想段階ではもう一つ過去のはずなので、その時期にはまだ真新しい話。
今人工知能をテーマに新人賞を応募しても、かなりの確率で落とされちゃいますね。
さて、本書も横溝正史ミステリ大賞受賞作ですが、ミステリの部分のは触れずに『感情移入』について記録させていただきます。
主人公の工藤は人工知能を使ったアプリケーションの開発者で、本気で人を好きになったことがないような冷めた男。
工藤はすでに死んでいる『晴』という人物について調べるうちに、『晴』に恋をし、危険を冒してまで人工知能で『晴』を作ろうとします。
私は正直、主人公に感情移入できませんでした。
人工知能の『晴』は完成し、まるで生きている『晴』と会話しているような完成度なのですが、読者という第三者よりも離れた立場だからでしょうか。人は本当に人工知能に対して恋愛できるのか。という疑問を最後まで拭えませんでした。
ただのまやかしなのでは?と。
私はまだ人工知能に触れる機会がなく、短い生涯で、まだ大切な人を失ったことがないので、分からないだけかもしれません。
ただ、今後科学が発達して人工知能が身近な存在となり、人生を歩んでいく中で大切な人の死と直面したとき、今日の私の冷めた感情はどう変わってしまうのでしょうか。
感性が変わってしまうであろう未来の私のために、この微妙な読後感はある種のお守りとして、ここに残しておくことにします。
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