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『女王はかえらない』降田 天 先生
キャラクター(主人公) ★★
キャラクター(サイド) ★★
共感度 ★★★★
ストーリー ★★★
ミステリー性 ★★★★
驚き ★★★
勉強になる表現・文章力 ★★
2019/8/15
このミステリーがすごい!大賞受賞作です。
横溝正史ミステリ大賞作をローラーで読むと宣言してしまいましたが、図書館で大分前に予約していたこの本が今になって貸し出し可能になったので、一時休止。
作者の降田 天 先生についてですが、二人組なんですね。
萩野 瑛 先生がプロットを担当、鮎川 颯 先生が執筆を担当されているそうです。
こうやって自分が創造した作品を共有して高め合える仲って羨ましいです。
私は友達はもちろん、家族に読んでもらうのも相当勇気を要するので、、、(皆さんはどうですか? どうやって自分の作品を客観的に評価してもらっていますか?)
さて、内容についてです。
いくつも騙された部分があり、小学生の世界に違和感なく溶け込めて面白かったのですが、またやってしまいました。ネットでこの本のネタバレを目にした上で読んでしまったので、驚きは半減でした(もう絶対ネタバレは読まないぞ!)
しかし、小学生のみで構成される世界の欲望、残酷さ、友情の設定がリアルで、自分も昔はこんなだったかもしれないと反省しました。
それと同時に、歪んだ子供の世界を見て見ぬ振りする大人にも、なってはならないとも。
それらの無責任が生み出した悲劇。事件は解決しないラストが、ミステリーと子供の世界観を見事に融合させた、この作品の自然な流れだったと思えます。
文章はそれほど難しくなかったので、小学校高学年くらいの読書感想文の課題図書になればいいのになと思いました。
子供たちはこの作品を読んで、どう思うのでしょうか。
人間の狂気をテーマにしたミステリーやホラーは、ストーリーを楽しむだけでなく、登場人物の性格や行動から自分や身の回りの環境を客観視させてくれるきっかけとなることを、この日記を書きながら学んだような気がします。
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