輪廻転生

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 その公園を親子三人で歩いていると、突然次男が前方にあった池を指差し、「あ! 白い鳥さんのとこ!」と嬉しそうに叫んだ。  だが、その時は池に鳥などは一羽もおらず、母親が「鳥さんはいないよ」と教えると、次男は顔を上げ「前はいたよ。ママと鳥さんにご飯あげたでしょ?」と言った。  そして更には、公園のベンチでサンドイッチを食べたり、偶然見つけた野良猫の頭を撫でたりもして遊んだと言いだす。  それを聞いた母親は、頭の中が真っ白になった。  たった今次男が告げたことは全て、以前長男を連れてきた時に体験したことと瓜二つだったのだ。  そんなまさかと思いながら、母親は「……ねぇ、お母さんのお腹にいる前は、あなたはどこにいたのか覚えてる?」と、声が震えそうになるのを堪えながら問いかけた。
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