レーベンの過去

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レーベンの過去

 タレンが言った、才能があるかないかの僅かな差。それは『意志』でしょう。  私はその正体に気づくことができたから、才能の壁を打ち破って、努力し、実力を手に入れることができたのです。  タレンの言い分はもっともで、ビリテは才能がないことを理由に、まったく努力しようとしませんでした。  でも、ビリテの悩みも痛いほど分かります。才能がある者、実力を手にした者の理不尽な叱責や威圧感が、彼らと才能のない自分との間に分厚い壁を作るのです。  その壁を一人でよじ登ろうには自分との戦いを果てしなく継続する必要があり、打ち壊そうには深い(もや)に紛れた、『才能があるかないかの僅かな差の正体』に気づかなければなりません。
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